35.7度の厭世観

さまよってたら、はてな村に迷い込みました。

グループリーグを終えて

今回のグループリーグですが、死の組と言われたグループBやDを除けば、結構平常運行だったのかなと思います。地の利もあり、したたかに勝ち抜いていく南米勢。しぶとく勝ち点を獲得してベスト16入りするメキシコやアメリカ。内輪もめして自滅していく一部のアフリカ勢。さらに含めるなら、頭突きして退場するぺぺや、相手を噛んじゃうスアレスとか。スアレスは、なんで競り合っていたわけでもないあの状況で、相手選手を噛みにいったのでしょうか。意味が分かりません。そりゃ審判も見てないだろうと。

 

 

さて、グループリーグを突破した国の初戦の結果をまとめてみるとこんな感じです。

 

初戦勝利し突破(9ヶ国)
ブラジル・メキシコ・オランダ・チリ・コロンビア・コスタリカ・スイス・フランス・アルゼンチン、ドイツ、アメリカ、ベルギー

 

初戦引き分け突破(1ヶ国)
ナイジェリア

 

初戦敗退したものの突破(3ヶ国)
ウルグアイギリシャアルジェリア

 

ただ、初戦敗退して突破した3ヶ国とも1位で通過した国に負けています。(ウルグアイコスタリカと、ギリシャはコロンビアと、アルジェリアベルギーと対戦)逆に、初戦で勝ってグループステージ敗退したのは、コスタリカがサプライズを起こしたグループDのイタリアと、日本に勝利したコートジボワールのみです。

 

コロンビアが本命とみられていたグループCでは、初戦のコートジボワールに負けた時点でグループリーグ突破はかなり難しくなっていたのかもしれません。初戦で負けたギリシャが突破し、初戦に勝利したコートジボワールが敗退してしまったグループリーグの中で日本は結果的に存在感がなかったというか、引き立て役にしかなりませんでした。そういう意味ではグループDのイングランドも全く同じですね。

 


ザッケローニ監督にも選手にも色々と思うことはありますが、今回のW杯で日本代表の一番問題だったのは目標が選手や監督、協会でコンセンサスが取れていなかったのではないかという点だと感じています。報道で知る限り「優勝」を公言する選手達がいる中で、監督は「ベスト4」、協会は「ベスト8」と目標がバラバラでした。掲げられた目標は、長期にわたるW杯においてコンディションのピークをどこに合わせていくのかにつながってきます。優勝やベスト4を狙うのであれば、コンディションのピークは決勝トーナメントに合わせる必要があるわけです。これは、スペインなど強豪国ですら初戦の入り方に失敗し、敗退しているのですから、リスクが非常に高いともいえます。

 

もし、単純にグループリーグ突破を目標に掲げ、初戦にコンディションを合わせていればまた別の結果になったのかもしれません。一方で、仮に結果がそうだったとしても選手達が決勝トーナメントを見据えていない戦いを是とするかが問題になってきます。個人個人が高い目標を掲げることが悪いことだとは決して思いません。ただ、チームとして大会をどういう歩みをするのかマネージメントすることも必要です。また、もしかすると、目標によっては一部で問題視されていたキャンプ地も体力の回復を目的とした地ではなく、試合会場の気候に合わせた地へと選定に影響したかもしれません。

 

4年後のW杯に向けて協会はまずは監督を誰にするかではなく、目標が正しかったのか、自分達や相手の実力分析が正しかったのか、今回の惨敗を総括した上で新監督、選手達とも次回の目標について意識の共有を図ってほしいところです。